形勢逆転:フロンド派のパリは国王軍に包囲される(1−2月の戦況報告)
武装するパリ
ノーデ:2月8日フロンド派が占拠していたシャラントンを国王軍により奪われ、パリはコンデ親王率いる国王軍によって完全に封鎖されている状態だ。
本の行商人ジャック:しかし、パリでも1月にはいってから、続々と反マザランの貴族が集まっていました。それまではフロンド派が支配するパリの方が優勢だったようにみえますが…
ノーデ:宮廷がパリを離れるや、入れ替わりにルイ13世とリシュリュー枢機卿の時代に不興を被っていた貴族たちがぞくぞく戻ってきたからね。
ジャック:反コンデ感情の強いギーズ家につながるエルブフ公がパリ民兵組織の総指揮官に任命されています。
ノーデ:コンティ公はコンデ親王の弟ながら、パリ市民の総司令官ということだ。
ジャック:ヴァンセンヌ城に幽閉されていたボーフォール公も脱獄してパリに駆けつけていますしね!
マザランの首を求めて民衆も興奮する
ノーデ:コンティ公はパリ市民の総司令官に任命されるやいなや、バスティーユを占拠。民衆が歓喜した。
ジャック:そのあとは高等法院の過激派ブルーセル評定官の息子が引き継いでバスティーユの司令官になっています。
ノーデ:聖職者やパリ大学もまた、高等法院に協力を申し出ている。
ジャック:パリ高等法院はこうして徹底抗戦の構えを見せ、1月は全体の流れを支配していました。
ノーデ:民衆もマザランの首を求めて後押しする。
ジャック:そういう状況で、宮廷よりだったパリ商人頭(市長に相当)は辞任せざるをえなかったわけです…
そうはいってもコンデ親王率いる国王軍は強い!
ノーデ:しかしなぁ、わりとすぐにパリ穀物輸送の拠点であるコルベイユを守りきれず国王軍に占拠されてしまった…
ジャック:そのあたりから、どうもあやしくなってきましたね。2月に入るとパリ近郊への焼き討ちとか略奪が激しくなります。
ノーデ:フロンド派臨時政府も作られたが、うまくいかない…
ジャック:コンティ公の御前会議だろうという悪口もきかれます。
ノーデ:きわめて先行き不透明なところに、洪水の被害も出ている。
ジャック:これからどうなるんでしょう?
表紙の画像はコンデ親王率いる国王軍によって封鎖されたパリの絵です。
シャンティイ城所蔵
以下のURLに詳しい解説がありますので、ご参照ください。