警察よりもBnFの調査から漏れる方が至難の業…
逃亡する印刷業者コティネの名前は後世にも残る
ノーデ:コティネが恩赦で自由の身となるのは、9月になってのことだ。
本の行商人ジャック:つまり、それまでは潜伏しているのですね。
ノーデ:許されたあとは通常営業。
警察よりもBnFの調査から漏れる方が至難の業
ジャック:ところでパリの印刷業者に関しては、かなり把握されておりますね。
ノーデ:それそれ…そういう仕事に関しては、当時の警察よりもフランス国立図書館BnFの調査の方が抜かりなく行なっている。
ジャック:ここにご紹介するRépertoire d’imprimeurs / libraires (vers 1470-vers 1830)は2019年に出版されました。
ノーデ:著者の筆頭に名前があがっているジャン=ドミニク・メロ氏はBnFのこの部門の責任者で、じつはマザリナード・プロジェクトにもご参加いただいておるのだ。
ジャック:『マザリナード探求』にも当時のフランスの定期刊行物に関する考察を寄せられています!
その頃、パリを離れている宮廷では…
ノーデ:さて、コティネの運命を追っているあいだに、宮廷でなにやらきな臭いことが起きているようだな。
ジャック:コンデ親王とマザラン枢機卿が対立しています。
ノーデ:来週はちょっと宮廷をのぞいてみるとしようか?
ジャック:ところで、今、宮廷はどこにいるんです?
ノーデ:たしか、コンピエーニュだったかな…
ジャック:まだ王妃様はパリにはお戻りにならないおつもりのようですね。
ノーデ:じわじわと地方にも怪しげな雲行きが広がっておる。
ジャック:では、また来週!