フロンドの乱シーズン2 放映決定!ノーデ先生の水晶玉に映る予告編
今年1649年を振り返ってのまとめ
本の行商人ジャック:昨年からの政治的混乱も、宮廷が秋にパリへお戻りになり一段落というところでしょうか?
ノーデ:今年もいろいろありましたね。
ジャック:年明け早々、公現祭の日に、いきなり宮廷がサン=ジェルマン=アン=レーへ移動して、パリはコンデ親王の軍隊に包囲されました。
ノーデ:詳しくは、当サイトの「年表」を見ていただくとして、少し振り返っただけでもため息がでますね。
ジャック:マザラン枢機卿は「公衆の安寧を撹乱した」として、パリ高等法院により告発されました。
ノーデ:それだけじゃなくて、マザラン枢機卿の財産や蔵書を競売にかけようとしたんですよ、高等法院は!
ジャック:ノーデさんがマザラン枢機卿の司書として集めた貴重な蔵書を!
ノーデ:あれは絶対、高等法院のメンバーが横取りをたくらんだのですよ(鼻息)
マザリナード文書の当たり年
ジャック:パリ高等法院にはフロンド派の大貴族、コンデ親王の弟のコンティ公や義兄のロングヴィル公爵なども加勢し、宮廷に不満の貴族が続々と集結しました。
ノーデ:そこで、パリを包囲したコンデ軍は兵糧攻めにして、飢えさせる戦術に出た。
ジャック:パリの外へ出て小麦を調達するにも命懸けとなり、その戦闘でラ・ロシュフーコーさんは重傷をおいなさった。
ノーデ:おまけにこの年の冬はセーヌ川が氾濫を起こすなどの自然災害もあり、庶民には難儀なことであった。
ジャック:4月1日に和平宣言に至ったのは幸いでしたが、宮廷はなかなかパリに戻ってはきませんでしたね。
ノーデ:マザリナードはこの6年あまりの内乱の間にコンスタントに印刷してばら撒かれたわけではなく、ことあるごとにそれに連動してポンと数がふえるのだが、今年は特にすさまじかった。
ジャック:パリが飢えさせられたのも影響していますね。
ノーデ:とりわけ王妃アンヌ・ドートリシュ様を中傷する文書が注目されたな。
ジャック:そこで、パリをお掃除するまで宮廷は戻ってこないと、徹底した誹謗中傷文書の取り締まりがおこなわれました。
ノーデ:本の行商人ジャックとしては、ちょっとびびるようなこともあったな。
ジャック:だって、売れ筋のマザリナードというのは、汚くて猥雑なものと決まってますからね。
ノーデ:みんな密かに買い求めるし、お値段もそういう文書は印刷機を出たときから何倍にもなるのだ。
ジャック:あぶない橋を渡らないと稼げないんでさあ、わたしらのような商売は。
いよいよフロンドの乱シーズン2の放映決定
ジャック:それはさておき、来年の予想ですが、そろそろノーデ先生の占星術と水晶玉でフロンド暦3年を占ってはいただけませんでしょうか?
ノーデ:ふむ、そうだな…
ジャック:来年、1650年はどんな年になるんでしょう?
ノーデ:おぉ!(水晶玉をのぞきながら)
ジャック:なんです?大きな声を出して。
ノーデ:1月早々に一大事件発生と出ておる。
ジャック:いったい何が⁉︎
ノーデ:コンデ親王が逮捕されるのだ!
ジャック:ええええ!
ノーデ:あ、三人の姿が見える。弟のコンティ公と義兄のロングヴィル公爵もいっしょにヴァンセンヌ城に連れていかれるぞ。
ジャック:そ、それは…
ノーデ:フロンドの乱シーズン2の始まりだ。
ジャック:今度はどうなるのでしょう?
ノーデ:フランス王国全土が混乱する事態に発展する。
ジャック:あわわわ!
ノーデ:前半より厳しい展開になるな…
ジャック:コンデさんが中心になると?
ノーデ:大貴族のフロンドと、後世の歴史家が呼ぶような展開になる。
ジャック:おそろしいことに…
ノーデ:とりあえず、今年の日めくりはこれが最後じゃ。あとは除夜の鐘を聴いて、お餅食べて…
ジャック:ノーデさん、フランスには除夜の鐘はありません。せめてノートルダム大聖堂のミサとか言ってください。あとMOCHIはピカールで冷凍食品にありますが、お正月に日本の人が召し上がる白い餅とは異なります。あれ、雪見だいふくですから。
ノーデ:だな…
年末のごあいさつ 来年も「週刊フロンド日めくり」をどうぞよろしくお願いいたします。読者のみなさんもよいお年をお迎えください。ガブリエル・ノーデと本の行商人ジャックより