国王の慈悲、恩赦という隠し球
逃げ回るコティネ、運命を握るのは王様?
ノーデ:いろいろと取り締まりを厳しくしてはいるが、王妃アンヌ様はまだパリにお戻りになる気配はない。
本の行商人ジャック:ここでノーデ先生お得意の水晶玉をのぞいてみてはいかがでしょう。
ノーデ:水晶玉より確かな「年表」がこのサイトにも『フロンドの乱とマザリナード』にもあるだろう?
ジャック:それによると、宮廷がパリに戻るのは8月。ずいぶん先ですよ。
ノーデ:じつはコティネの運命も、それに連動しているのだ。
ジャック:え、どういうことですか?
マザリナード文書を印刷して死刑になったものはいない?!
ノーデ:コティネは宮廷がパリに戻ると、王様の慈悲を求め、自ら出頭してくる。
ジャック:そこで恩赦が与えられた!
ノーデ:コティネは晴れて自由の身だ。
ジャック:他にも死刑宣告を受けた印刷業者モルロがいますが。
ノーデ:モルロは恩赦ではなく、処刑場で暴動が起きて逃亡。
ジャック:死刑宣告はされても処刑にはいたらなかったと。
ノーデ:マザリナード文書の摘発で告発され、死刑になったものはいない。
ジャック:そこがルイ13世の時代、リシュリュー枢機卿の時とはちがうんだな。