1651年2月15日―2月21日

ゴンディの筋書きどおりに高等法院の弾劾はエスカレートする

ノーデ:フランケンウサギの花ちゃんに特派員報告の続きを聞こう。

フランケンウサギの花ちゃん:というわけで、このいきさつに王妃様も相当ショックを受けられました。王妃様はオルレアン公が、王族として、つねに自分の味方をしてくれるものと思っていたのですが、完全に無視された。驚いて、さっそくムッシューに会おうとなさったのですが、断られます。王妃様は自ら出向いていくとまでおっしゃったのですけれど、市中の安全が確保できないからとの理由で、来るにはおよばずと。

ノーデ:これはもう、ゴンディの筋書きどおりだな。

花ちゃん:そして、仕上げにムッシューは、翌日、高等法院に出かけていき、まさにヴァンドーム家のメルクール公爵とマザラン枢機卿の姪ロールさんの結婚式のその日、高等法院にマザラン追放の建白を出させます。

ジャック:建白なら、まぁ、今までに何度も出てはいますけれどね。

花ちゃん:今度は違ったのです。どんどんエスカレートし、ついにはマザラン枢機卿一族の追放まで裁決する事態に。

ノーデ:こういうのは勢いがつくと止まらないからな。

花ちゃん:枢機卿は身の安全もさることながら、このままでは収拾がつかないので、自ら退く決心をなされたのです。それで深夜にパリ脱出。

ジャック:王妃様は止めなかったのですか?

花ちゃん:この状況では無理だとわかっておられたのでしょう。国王軍の元帥たちは武力をもって総出で鎮圧する準備があると申し出られたのですが…

ノーデ:王妃様は犠牲が出るのをのぞまなかったと。

花ちゃん:「地獄に堕ちろ」などの罵声が、パレ=ロワイヤルにも届いておりましたからね。そりゃもうパリは暴動ですよ。

ジャック:それで、枢機卿はサン=ジェルマン=アン=レーに一時退避ですか…

枢機卿を失った王妃様の運命は…

花ちゃん:いえ、枢機卿はその足でル・アーヴルへ向かわれました。

ノーデ:なんと…

花ちゃん:自らの手でコンデ親王らを釈放するおつもりだったのです。

ジャック:しかし、そのあとはどうするおつもりで? パリには戻れないでしょう。

花ちゃん:おそらくは国外へ…

ノーデ:亡命なさるというのか…

ジャック:王妃様はどうなさるのでしょう。ルイ14世はまだ成年をむかえておられませんよ。王妃様ひとりで王国を統治するなんて無理だ。

花ちゃん:ムッシューとゴンディ、そしてさまざまな思惑で王妃様に接近しようとする人々、たとえばシュヴルーズ夫人、そこへコンデ親王ら3人の大貴族が帰ってくるのですからね、王宮の中だけでもあらたな権力あらそいが始まるだろうと予想されます。王妃様の摂政の地位もあぶないですね。

ジャック:外には高等法院、そしてフロンド派、さらに民衆。

ノーデ:ムッシューは王妃様と交代して摂政の役目を引き受けようとするのだろうか。

ジャック:ルイ14世は9月のお誕生日になれば、成年に達しますからね。それまでは摂政が統治を司る。ムッシューに政治的野心があれば、その地位を奪うかもしれない…

ノーデ:王妃様の運命やいかに…


投稿日