反コンデの国王宣言!誰もが皆、自分の立ち位置を有利にしようと周りを見渡している
誰もが皆、自分の立ち位置を有利にしようと周りを見ている
本の行商人ジャック:さて、反宮廷の姿勢を隠さなくなったコンデ親王とその一派ですが、フロンドの乱シーズン2、季節も夏で熱くなってまいりましたね。
ノーデ:ふむ。この対立を利用して、自分たちに有利な展開を期待しているのが、パリ高等法院とフロンド派の面々さ。
ジャック:わけても、ゴンディ協働司教。ここぞとばかりに反コンデの旗色を明らかにし、得意の舌先三寸でコンデ親王一派を集中攻撃しています。
ノーデ:だが、勢いにのっている時ほど、警戒しなければならないものなのだよ、ジャック。
ジャック:そしてついに国王宣言が出ました。
ノーデ:まさに反コンデの国王宣言。
ジャック:それって、「王国の敵」認定ですよね。
ノーデ:そうさ。今や一斉に、避難の矢は親王に向けられている。
ジャック:反コンデの国王宣言が出たため、高等法院ではフロンド派とコンデ派が決裂したそうですよ。
ノーデ:向かうところ敵なしの逆で、コンデ派は全方位が敵にまわった。
ジャック:なんだか不穏ですよね。何も起きなければいいのですが…。
有力な大貴族も離反?
ノーデ:それなのに、コンデ親王は同時に有力な味方を失いつつある。
ジャック:あ、ブイヨン公爵とテュレンヌ元帥のご兄弟ですか。このあいだから、話題にはなっていましたよね。
ノーデ:やはり、解放されたあとのコンデ親王の振る舞いに不満があるようだ。
ジャック:なんと!
ノーデ:ラ・ロシュフーコー公爵はこのふたりと特に親しいので、当然、兄弟がコンデ派に加わるものと思っていたようだ。だが、ブイヨン公爵の態度がはっきりしないのだ。
ジャック:一年前のボルドーの反乱では、コンデ夫人をエスコートし、戦ったのに⁈ あの時は反乱に加わった貴族たちに国家反逆罪の国王宣言が出ましたよね?
ノーデ:領地の自治権を取り戻すなど、公爵にはこの内乱に賭けるものがある。ご自分の利益と安全を守るためにどちらの側についたほうが得か、思案しておられるのだろう。
ジャック:それは考えてしまいますよね。悪くすると国家叛逆罪ですもの。
ノーデ:今、ブイヨン公爵は宮廷にもコンデ親王にも不信感を抱いている。
ジャック:テュレンヌ元帥の方は?
ノーデ:テュレンヌ元帥はコンデ親王解放後の自分たちへの処遇に一貫して不満があることを隠さない。
ジャック:おお。
ノーデ:貢献を評価されるどころか、今後、何をどうしていくつもりかという考えさえも知らせてもらえないのだとご不満なのだ。
ジャック:かなりお怒りのご様子。
ノーデ:それだけではないぞ。これではなんのために、自分の兵士たちがコンデ親王の解放のために戦闘で命を落としたのかわからぬ、浮かばれないだろうというのだ。
ジャック:で、好きにさせてもらうと。
ノーデ:少なくとも、今度の挙兵には加わらないと。ラ・ロシュフーコーさんにはそうはっきり言ったそうだ。
ジャック:間に入ったラ・ロシュフーコーさんもお困りでしょうね。
ノーデ:事情はわからんでもない。無理強いはできまいよ。
ジャック:やれやれ、こんな時に有力な味方が離れていってしまうとは…
ノーデ:人を動かすのは、そう簡単ではない。
ジャック:一年前は国家反逆罪に問われることも厭わずに参加なさった方々が。
ノーデ:昨年は許されたが、今度はわからない。処刑されるかもしれんのだからな。
ジャック:そりゃあ、相当に大きな利益がなければ、動けませんて。

