1649年1月29日〜2月4日

ロングヴィル公爵夫人の出産

ノーデ:それぞれに思惑があるわけだけれど、フロンド派はともかく反マザランということで、今のところは一致団結している

本の行商人ジャック:とりあえずは、ですね。

ノーデ:そして占拠しているパリ市庁舎で、ロングヴィル公爵夫人がご出産になったと!

ジャック:そうなんですよ。公爵夫人は昨年のフロンドの乱勃発以来、夫のロングヴィル公爵、弟のコンティ公とともにフロンド派の旗振りをしていますが、こんなときにご出産とは…

弟のコンデ親王はパリを攻める準備をしている

ノーデ:このあともうひとりの弟のコンデ親王がパリを包囲して、兵糧攻めにする予定なのだけれど、大丈夫なのか?

ジャック:しかも、お子さんの父親なんですが…ラ・ロシュフーコー公爵だそうです。

ノーデ:フロンド派の大貴族たちはまことにロマネスクというか、なんというか。

ジャック:ラシーヌさんはまだ少年で(ジャン・ラシーヌは1639年生まれ)、作家活動してませんから、むしろコルネイユさん(1606年生まれ)の悲劇に登場する人物のようなメンタリティですね。

英国王チャールズ1世の処刑

ノーデ:シャルル=パリ・ド・ロングヴィルと名付けられ、生まれ落ちた時から伯爵の地位を得たこのお子は、しかし、あまり長生きできない。

ジャック:長生きできないといえば、議会と全面衝突していた英国王チャールズ1世が、いよいよ30日に処刑されましたよ!

ノーデ:なんと!

ジャック:清教徒革命だそうです。

ノーデ:これはパリ高等法院も関心をもたないわけにはいかんだろうな。 ジャック:じっさい、英国の状況は王権に制限をもうけるどころの話ではなく、王様の首を刎ねてしまうのですからね。

Dumonstier, Daniel, Musée du Louvre, Département des Arts graphiques, RF 1423, Recto – https://collections.louvre.fr/ark:/53355/cl020113090 – https://collections.louvre.fr/CGU