腹が減っては戦ができぬ:フロンド派の内部分裂
兵糧攻めのパリ
ノーデ:パリへの穀物輸送の拠点であるコルベイユが陥落してから、シャラントンが国王軍に占拠され、兵糧攻めにあったパリでは飢えが深刻になりつつある。
ジャック:ボーフォール公爵とロシュフーコー公爵の援護で、ノワルムーティエさんが決死の覚悟でパリへの生活物資輸送を試みるも、焼石に水。
ノーデ:そこで、のちに列聖されるヴァンサン・ド・ポール様がわざわざサンジェルマンに赴き、アンヌ王妃様におそれながらと訴えた。
ジャック:慈悲をもって、小麦を運ぶのを許すよう説かれたのですね。
ノーデ:だが、王妃様はまったく聞く耳持たず。
ジャック:戦争というのは無慈悲の同義語。
そろそろ宮廷との和解を求めたい人といよいよ内乱を拡大したい人がいる
ジャック:パリ高等法院の良心、演説で有名なオメール・タロンさんも、宮廷との和解を提案していますが…空回りみたいです。
ノーデ:そもそもフロンド派に参加している貴族たちは諸刃の剣なのだよ。武力を提供してくれもするが、それだけでなく彼らの関心は権力闘争なのだ。
ジャック:ノルマンディ総督のロングヴィル公など、地元を蜂起させようと熱心ですから。内乱をおさめるどころか地方に拡大しようとしている。
ノーデ:フロンド派と呼ばれる人たちも一枚岩ではないのだよ。
ジャック:それぞれの思惑をこの騒動に投影しているからですね。 ノーデ:目下、かろうじてそれを繋ぎとめているのが「反マザラン」という旗印なのだ。