『週刊・フロンド日めくり』
宮廷と高等法院の和平交渉始まる
パリとサン=ジェルマン=アン=レーの中間にあるリュエイユ
ノーデ:いよいよリュエイユにて和平交渉だが、王妃様はサン=ジェルマン=アン=レーにお残りになっていて、将軍たちも会議場には姿を現さない。文民主体の交渉だな。
本の行商人ジャック: 高等法院側は22名の代表団を送ってきており、宮廷側ではセギエさんとル・テリエさんが対応することになったそうです。
ノーデ:コンデ親王やマザラン枢機卿は別室に待機して、伝令を使うそうだ。
ジャック:うまくいくのでしょうか?
あくまでパリを飢えさせようとする王妃様
ノーデ:王妃様は英国のチャールズ1世処刑の知らせでかなり神経質になられている。
ジャック:王の権威を守らないといけないということですね。
ノーデ:だから、1月8日以降に高等法院が出した裁決をすべて撤回するように要求している。
ジャック:マザラン枢機卿を国賊呼ばわりしているアレですね。
ノーデ:一方、フロンド側は昨年10月の和解合意内容が守られることを求めている。
ジャック:しかし、目下喫緊の問題は…
ノーデ:パリが飢えていることだ。
和平交渉の第一歩は食糧の確保から
ジャック:王妃様は食糧の輸送を止めることで圧をかけ、交渉を優位に進めようとしています。
ノーデ:高等法院側はまず穀物をよこせ、話し合いはそれからだと譲らない。
ジャック:オルレアン公やコンデ親王が「俺たちゃ、穀物商ではないぞ」と言い放ったそうですよ。
ノーデ:回想録などを読むと、じつはサン=ジェルマン=アン=レーの方でも食糧不足は深刻だったようだ。
ジャック:戦争は飢えをしたがえてやってくるものですからね。
*ラ・ロシュフーコー公爵とノーデの架空インタヴュー
X(旧Twitter)上に関連してラ・ロシュフーコー公爵とノーデの架空インタヴューがあります。合わせてお楽しみください。